2020年12月29日火曜日

20201229 口なし

9:00 現在、コーヒーはすでに二杯。エチオピアのウォッシュトとウガンダのカーボニック。先日淹れたときはダーク・チョコレート・フレーバーにしかし凛とした白ワインの芳香が印象的だったウガンダは今日はまた印象が変わり、ワインにかわってシナモンのピリッとした刺激を芯に感じる。

サンマのすり身があったので、昨日の晩はそれをツミレにして汁物をつくった。すり身に全卵、味噌、生姜、片栗粉を合わせて練り、スプーンで掬って湯に落とす。しばらくして火が通るとツミレが浮いてくるのだけれど、何やらひとふた周りほど大きく膨れている。ああそういえばおでんのハンペンなんかも膨れるもんな。骨ごと砕いたサンマのざらりとした舌触りが楽しい。出汁も出るし言うことない。安くなった魚とか挽き肉とか買ってきて肉団子にして、生のまま冷凍庫にストックしておくのも良いかもしれない。

一時間話す誰かの話を聞くのには一時間の時間を要する。これは驚くべきことに思われる。その誰かにとってもまた同様なのだから尚更だ。私たちは話の端から、お互いの話の取り逃がしを宿命付けられている。二度、三度、問い返す。向こうもまた二度、三度、語り直す。録画を見返す。そうする間にも話は先に進んでいく。どうすればよい、話を止めればよい、語るその息の根を止めてしまえばよい。死人に口なし。だから死人について話すのはみんな気が楽だ。葬式はいつだって大盛り上がりだ。噂話に夜も更けていくその間、死人はいくらでも待っていてくれる。

だから君が死ぬまで待とうじゃないか。遅れはそのあとゆっくり取り戻していくさ。そう言う声が聞こえる。

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