2020年12月28日月曜日

20201228 ザクロ、不明、年の瀬

12:30 現在、コーヒーはすでに三杯。パンも食べすぎた。先程まで部屋がむず痒いほど薄暗かった。

昨日値引き価格で買ったザクロを食べた。驚いたことに、生のザクロを食べるのはこれがはじめてだ。ヘタがついていたあたりを数センチ分断ち落とすと、白いスポンジ質の皮に埋もれるように真っ赤な細かい房がいくつか覗いている。それこそ岩を割ったところに現れるガーネットのようだ。皮に指を掛けると皮は繊維に沿って容易に裂けて、互いにみっちり詰まった房がそのままぼろぼろ溢れてくる。外皮と同じくスポンジ状の薄膜が果実の内側に巡らされており、全ての房はこの薄皮にめいめい直接繋がっているらしい。付け根は少し細くすぼんでおり、房の中の種に繋がる白い軸が覗いている。このあたりは茹でたトウモロコシを思わせるが、取り外すのは(房を誤って潰してしまうのに注意さえしていれば)ずっと簡単だ。


昨日はダムタイプ《2020》の公演映像を観た。京都ロームシアターが期間限定公開していたものだ。
舞台床面中央に穿たれた、4メートル四方ばかりの大きなヴォイドを中心に諸々が編成されている。始終白い床面と壁面に投影され続ける照明や映像を、しかしそのヴォイドは黒々と呑み込んでしまう。それは文字通り、pro-ject (先行き=投影)の不明としてそこに穴を開けている。
そもそも話の端からして、少なくとも近世からこのかたずっと、劇場空間は暗いのだ。それゆえ舞台は照らされ続けなくてはならない。床板一枚を境に暗い奈落と接しながら。


夜、買い出しに出た。月が高く上がっており、マスクで狭まった視界にはかえって見当を失いそうになる。路上は人足も絶えてのっぺりと広く、寒さは若干控えめで、なんとなく足元がぶよぶよと覚束ない。スーパーの生鮮品は正月向けの飾り、乾物、練り物や冷凍食品に押しやられて身寄りを失い、どうしようもなくて値引きされた食パンばかりを三つも買い込んだ。

歯に詰まる澱粉の鈍い重みが苛立たしい、年末の半歩手前の半端な陽気だ。



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