最近味覚についていよいよ言葉が働かない。味を記述するためには、いくらか前の瞬間の感覚の記憶をキャッシュしつつ、それとの関係のなかで現在のそれを処理する必要があると思うのだけれど、そのキャッシュが縮み込んでいる気がする。全くここには今しかない。
今この瞬間押し込んでいるこのキーのひとつにおいてのみ生きている。単語どころか音節以下の息の絶えだ。放たれた側から揮発していく。
休日の階下の物音、それへの恐れを軸に毎週が編成されつつある。砂上の楼閣だここは、壁の内側だけ見れば割りかし悪くないけれど、一皮剥けばいつも他人の死臭だ。
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