2020年12月25日金曜日

20201225 澱粉

10:30 現在、コーヒーはすでに二杯。いずれもエチオピアの別々。

昨日も明るいうちに買い出しに出た。iPhone を手持ちの三脚に固定してみたくなり、ひとまずダイソーで専用のマウントを探してみたが、めぼしいものが見当たらない。商店街は割と賑わっているようだ。

普段使う道から少し外れたところにあるスーパーがいつの間にやら大きくリニューアルされている。どうも肉屋ベースの店らしく、わりかし広い店内の壁際二辺分がまるまる肉と魚の冷蔵庫で埋まっている。赤色のデコレーションに囲まれて肉の肌はぶつぶつと薄ら白くて、それが繊維質な骨の灰褐色に絡み付いている。大きな箱を底にすっぽり納めたビニールの手提げ袋を抱えた店員が気忙しく店内を行ったり来たりして、その箱の側面ののっぺりと広いのばかりが目に残って、そういえばその日ケーキの姿を見た記憶がない。ホイップクリームがスポンジの側面を掴んで離さない、その細やかな気泡の力。組織から少しずつ圧し出されるイチゴの果汁がそれをじるじると溶かしていく。

業務スーパーで買った一斤66円だかの食パンは驚くほどしっとりとしてきめ細かく、口の中でしゅわしゅわと溶けてしまうかのようで、まるで白く固形化した炭酸飲料だ。ひょっとすると異性化液糖の味。それをグルテンの網目に格納して工場から口内へと運ぶこれはキューブだ。一緒に干した棗の大袋を買った。ぐっと詰まった繊維に甘み、そして硬くざらついた種。

いろいろな人がめいめいに、何かをしている、YouTube の画面を二つ左右に並べて傍らに流し見しつつ作業して、鶏肉にもケーキにもとくに気を惹かれることもなかったけれど、今年はそれなりにクリスマスらしい楽しみ方をしたような気もする。

晴れて、身体が鈍く眠い昼だ。果糖に歯舌がむず痒い。窓は空いて、ぐずる子供を叱りつける父親の声が抜けていく。タイヤがアスファルトをしきりに擦り、無人であろう階下のバカンスがくつくつと震えてうるさい。



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