2020年11月30日月曜日

20201130 薄暗がり

8:30 現在、コーヒーはすでに一杯。それと甘酒を飲んだ。酔わないように蓋なしでしっかりと煮立てた。

今朝は少し早く目が覚めた。朝の薄暗さは視神経に深くまとわりつくようで、寝覚の思考の曇りと区別が難しい。電子秤の太陽電池が反応しないのでこれは前者の暗さなのだろう。

昨晩の買い出しの夜道も暗かった。最近買った布マスクは息苦しく、呼吸のたびに眼鏡が曇って街灯の光が虹色の暈を背負う。視界が狭まり、全てが鈍く暗がりに沈み込んで判然とせず、音も毛布を被っているかのようにくぐもって聞こえる。暗い夜であるのかはたまた思考が渋り切っているのかわからない。電柱にぶつかりかけながら歩いた夜勤明けの朝に少し似ている。軽く短い上着は背筋を丸めて呼吸を浅くする。脳の昏酔と区別がつかない。

スーパーを出た帰途、マスクを外すと半ば満ちた月が煌々と明るかった。どうやら明るい夜であるようだった。すでに熱を夜空に放ち切った空気が鼻先から上唇にかけての空間に渦を巻き、顎を敲き、こめかみをすっと透かして抜けていくのを感じる。眼鏡が鼻筋に座り良い。住宅街のそこここから希釈され切った下水のような臭いが漂っている。植木の葉が街灯に晒されてあちこちまだらに黄色く変色し、ぶら下がっている。一月ばかり前に街工場が取り壊されてできた空き地の片隅の小さな土山がいつのまにやら無くなっていた。すぐ傍らに隣家の窓があって、そこから漏れる薄黄色い光はいつもその山の片側をすっぽり照らして、反対側には山の影が平たく延びきっていた、それもいまはもう単に投げやりに濁った薄暗がりだ。土は黒かっただろうか、それを見るのはいつも夜であったので判然としない。重機の軌道に沿って路面に押し付けられた土塊もすでに洗い流されている。


久々に晴れて明るい陽だ。工事が始まる。甘酒のアルコールに脈が詰まる。眠い。西向く士、明日からは12月である。

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