2020年11月24日火曜日

20201124 口腔

10:00 現在、コーヒーはすでに二杯。豆が切れそうなので今日また買いに行けたらと思う。

秋のはじめから飛ばし過ぎたとばかりに、しばらく大人しくしていた底冷えが久々に帰ってきたような今日の朝だ。曇りガラスが均質に灰色だ。シクラメンの花のもう一つも今朝見たら落ちていた。

昨日はオンライン・トークイベントの映像を二つ、ライヴとアーカイヴのを一つずつ見た。最近また人の声を聞くのが苦痛になっているので、かなり注意の外縁にうっちゃった感じで見た。登壇者はみなめいめいのマスクやら、透明樹脂製のマウスカバーやらを着けている。不織布マスクの上端から鼻の先がはみ出して乗っかっている。ポリウレタン製のものらしいマスクを着けた司会者の口元が口を開くたびにモコモコと蠢いている。透明のカバーは水分で曇り、狭苦しい研究室の天井の蛍光灯の硬い光を反射して汚らしい。私は普段、話者の口元なんて毛ほども見てはいないのだろうと思う。マスクについてよく言われるような表情が窺えない不安感よりも、マスクによって強調されるのはむしろこの呼吸し発声する器官の不気味さだ。


それとは全く関係ないところで、最近机の正面に鏡を設置した。昔IKEAで買った、枠も何もない、正方形の四つ角を丸めたばかりの裸のガラス鏡だ。同じくIKEAのクリップライトが近くにあり、それを思いつきで鏡の端に直に留めた。これによって自分の口の中、喉の動きをかなり詳細に観察することができる。いざ観察してみると、舌の動きはかなりはっきりと喉元の動きとして表れていることがわかる。舌を出すとき、何かを吐き出そうとするように喉が上へと向かって大きく波打ち、顎の裏側がきゅっと締まる。反対のことをすれば喉が筒状に広がりそれはそのまま巨大な中空の共鳴管だ。音声は全く物質的 material な問題 matter だ。

予報は今日の日中の天気を曇りだという。なんとなくこの曇りはその風景がいまいちうまく雨へとモーフしていかない曇りだなと思う。工事の作業員の方たちは穴の中でこの空をどう見ているだろうかと思う。四肢が冷える。昼前だ。



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