2020年11月7日土曜日

20201107 炊ける間に

11:00 現在、コーヒーは既に3杯。

米を炊いている。以前やったように、玄米を圧力鍋で加圧20分。糊のにおいが漏れて広がる。五感が全体的に貧弱な私だが、それでも意識下で感じ取っているものはあるのだろう、米を炊く鍋の、音やにおいがなんとなく湿っている、乾いている、の気配の変化。

東京の東側、山の手を下って荒川流域の住宅地を歩くときにいつも感じるあの空気の湿っぽさ、フリース生地が毛の中に抱え込む肌の熱気と湿り気、ジャージー生地の繊維が伸縮するたびに肌を螺旋状に撫でていく、フロント・ジッパーのしなりに依りかかるように背骨は前傾する、キートップの裏で鳴く金属バネの音、換気扇にこびりついた埃にうねる気流、云々、

正直な話今日は書くことがない。パックに3つ残った玉子が妙に大きかった、その肌の大小入り混じって微小な陰影を自らに落とすざらつき、は、私がこうして開け放つ前の扉の奥の暗がりにあっては一体どうあるのだろう。その中にやすらう卵白は、卵黄は、冷たいだろうか。もうながいこと生卵なんて食べてはいないとちょっと気付くけれど生だからそれが本当の姿というわけでは勿論、ない。生・チョコレートとか生・チーズケーキとか生・キャラメルとかいった名前を私は信用していない、けれど生・八つ橋はすきだよそれもまた私だ。

鍋の加圧がいま、解けた。

0 件のコメント:

コメントを投稿