2020年11月29日日曜日

20201129

12:00 現在、コーヒーはすでに二杯。ボリビアとタンザニアのウォッシュト。前者は昨日のリベンジ。今度こそ、なるほど白い花のパウダリーな香りが口蓋をわずかにくっと押し上げる。そしてその香りからは少し意外なとろりと濃い印象(はちみつと表現されている)、そしてかすかにバターを塗って焼いたトーストを思わせる甘く香ばしい芳香。

今朝も遅く起きたが、昨晩は訳あってそもそも就寝がかなり遅かったのでまあ妥当だと思う。目覚めとしてはわりと綺麗にすっと目覚めた。寝癖はひどかった。深夜の空気はさすがに縮むように寒かった。

一年ほど前に書いたメモ書きをいくつか拾い読んだ。薄いノートにゲルインキボールペンの殴り書き。他人の言葉をこちらの言葉に翻訳した痕跡がある。矢印が縦横に走っている。主線と同じ線でところどころザクザク塗られた図解がある。どこからか流れてきた湯の香りほどに朧ろにはためくイメージを追っては散らす焦燥、絶望、数々の詐術の痕跡に満ちている。どうしてああもあることができたのか、いまとなっては全くわからない。

木漏れ陽は単に記憶の羽触れであるかのようだ。遠く目のおもてを一瞬掠めては過ぎ去って、たどり返そうにもその記憶はすでに別の布置に上書きされてしまっている。すでに陥っている私たちのこの状況それ自体が時間なのであって、私たちの外部やら内部やらに時間はない。すべては喪失の味だ。この肌寒さが過去の記憶、未来の不安だ。首に当てた掌に頸動の脈が跳ねる。立てた襟のこのだぶつきが現在だ。

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