2021年1月29日金曜日

20210129 雪ぎ

10:10 現在、コーヒーはすでに二杯。一杯目は昨日開けたエチオピアのナチュラル。
豆の時点で少しねっとりしたフルーツの風味。口に含むと紅茶や干し草を思わせる乾いた芳香を露払いに、苺のような可愛らしい甘味がころころと広がって、最後には喉をくいと軽く引っ掻きながら落ちていく。以前にも買ったことのあるものだが、これこそエチオピアだとつくづく嬉しくなる。こういうのをずっと飲んでいたい。

昨日は昼間のうちに買い出しを済ませてしまおうと外に出ると、思ったよりも強く冷たい雨だ。上着の裾から足元にかけてが染み通りこそしないものの振り掛けたかのように濡れる。いつも通りの大股なので余計に濡れる。手袋を濡らすのが面倒臭いので裸の指がひしゃげる。こんな日でも往来は意外と盛んで理解が行き場を失う。ボコボコの人参、10%引きのモウカサメの切り身、割と高いなといつも素通りしていたパスコのくるみ入り食パン、他。

店を出ると雪だった。つまらない冗句のような展開。雨とは違って落ちた先の路面で跳ねたりすることのない雪は、あたかも地表が偏光板が見せる見せ掛けの間仕切りであるかのように事もなげに貫通して過ぎていくようで、いつも足元が覚束なくなる。そのくせビニール傘にはみぞれと化した雪が妖怪の鱗のようにへばりついて、柄を握る手にその重みが確かだ。黒尽くめの身なりに絡み付く雪片は今年はマスクの白と韻を踏むな、と思いながらに引っ剥がした玄関扉を入るや否や雪を振り払った。

モウカサメはスパイスとヨーグルトに漬け込まれた後、無事カレーになった。中国語が楽しい。

朝の目覚め。昨日のことがもうだいぶ以前のことのようで食パンもすでに割と無い。開けた窓の先、雪がれてか空気が清潔だ。

さすがになあ、とさすがにまあ思っている。 じゃんけんでチョキ出すつもりなら今がさすがに最後だぜ。


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