2021年1月28日木曜日

20210128 夢

12:20 現在、コーヒーはすでに一杯。

実のところ寝ている間は全くの無なのであって、寝ている間に見ていたのだと思われているところの夢というのは実際には睡眠中のそうした無を無かったことにするために覚醒後に造られる偽の記憶だ、といった説を昔々にどこかで聞いた。その真偽はともかく、この説が私はなんとなく気に入っている。記憶が本物か偽物かというのは大した問題ではなくて(全ての記憶は何らかの形で偽物だ)、むしろ連続した時間というファンタジーを必死に守ろうとするそうした記憶があろうが無かろうがお構いなしに、覚醒の瞬間、その断絶のキワにどっと押し寄せる空っぽな感情の吹き溜りの奇妙なリアリティに惹きつけられる(そうした点では私は新海誠に親和性があるのだろう)。たとえあの日の出会い、あの日の会話の記憶を毫も脳裡に留めて居なかったとしても、あの顔を見るや明らかにあれは不快だ、という感情が込み上げる。歴史抜きの重みだ。目尻の皮膚の捲れ上がりの鮮烈な朱だ。墓という詐術を尻目に、この原に人は骨を撒き散らす。

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