ここのところずっと見かけなくなっていたネズミが最近また現れだした。
以前のネズミたちによる被害は深刻だった。まず部屋の入口ドアの枠の木製の部分が齧られ、ネズミの背丈分がほぼ消失した。
米、豆、野菜、ティーバッグ等、室内にある食品という食品は齧られぶちまけられた。
袋入りの食品、プラスチック容器や油の瓶の蓋も破られ、プラスチック片が散らばった。
芽が出はしまいかと水につけておいたアボカドの種も齧られた。
糞尿は撒き散らされ、夜な夜な台所から聞こえてくる物をかじる音、何かをひっくり返す音、足音や鳴き声に精神をすり減らした。
対策として、何よりもまず食路を断つことを最優先にした。ゴキブリと比べれば体はずっと大きいのだから、生存には餌もたくさん必要なはずだ。
食品は袋のまま放置するのはもっての外。中身を瓶等に移すか、食品庫代わりの電子レンジに収納するか、袋のまま1キロ入りのキムチの容器に仕舞い、蓋を破られぬように蓋を下にして置いた。油のボトルも蓋を噛まれないように常に紙袋等を被せた。
ネズミの登りやすい地形、歯を立てやすい形状などもなんとなく見えてきた。
ネズミの環世界を除くような気分だった。
それらの功のほどは不明だが、いつしか我が家からネズミの気配は消えていた。
今いるネズミたちは一体何をしているのだろうか。対策が今なおそれなりに維持されている我が家では、決して満足に食料を調達できるとは思えない。
今のところ何かを噛んだ痕跡も見当たらず、行動範囲も狭く、振る舞いもどこかどんくさい。一匹は屑籠に入り込んでいる現場を押さえられ、そのまま丁重に玄関先に放り出された。
それでも確実に精神の平和は脅かされている。
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