ものが落ちてくる。その光景を見るときの言い知れぬ多幸感は一体何なのだろうか。
上方からであること。
上方とは、私たちの営みの平面にとっての外部である。残余であり虚無でありつまりそれは虚空と呼ばれる。
虚空というだけならそれは上方ではなくたとえば横にあってもよい。しかしその虚空は上方において同時に充実の場として、それ自体が価値あるもの、なんであれそこにあるモノ全てに価値を与えるものとなる。それは物理学では位置エネルギーなどとよばれるもの、その価値は虚空の内にあるものすべてに無差別に、外在的に、添えられるものだ。横方向から飛来する銃弾はどこか息苦しい。無理をしている。次の瞬間には摩滅する運命だ。それに対して上方から降り来る矢は天賦の添付の祝福の内に解き放たれている。
落ちてくる、とはつまり
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